後ろから蓮の足音と声が追ってくる。






逃げなきゃ。
逃げなきゃ。
逃げなきゃ。



逃げるなんてただの現実逃避って
分かってるけど。





「おい、待てよ
逃げんなって!!!!!」





これでもあたし1学年の女子で
一番足が速いんだ。




「止まってくれ、お願いだから」





そう言ってガシッと掴まれたあたしの腕。





はい。

1学年の男子の中で一番足が早い
蓮から逃げ切れる訳ありませんでした。