「……なんで拒否るんだよ。美海…ちゃん。」


助けて……恭弥。怖い。ちゃん付けなんてされたこと無いのになんで今更……。


「僕はただ……。」


健太とはずっと仲良くいたいだけ。

そう言いたいのに僕に発言権は無いらしく、また拳が僕の腹に入る。


「恭弥か。恭弥が好きだからか。そうなんだろ!」


「違っ……。」


「嘘つくんじゃねぇ!」


拳の力が強くなってくる。僕は反抗出来なかった。

嗚呼、やっぱり僕は女の子なんだ。男の子なら、まだ立ち上がれるよね。でも、無理だった。体が重い。


しばらく僕は健太に殴られ続けた。中学生ってこんなに力があるんだ。



そのまま僕は意識を失いかけた。
ただ、



「…美海!」



僕を呼ぶ声が最後に聞こえた。