僕が笑ったら健太が恭弥と流星の間に肩をくんで入ってきた。

「ほらほら、美海が言ってるんだぜ?少しは甘えてみたらどうだ?」

健太の表情はどこか悲しそうな感じだった。今でも僕は健太を許してない。……体はね。心では健太は仕方ないって思ってる。
出来ればまた、もとのようにはしゃぎたい。

「健太が言うなら……本当にいいのか?美海。」

「うん。それに僕は撮られるより撮る方が好きだから。」

僕は適当に三人を追いやって強制的に写真を撮る体制に。

「はい撮るよー。」

パシャ

「撮れたよー。」

僕は撮れた写真を見た。三人とも楽しそう。

「おい美海、そんないきなりは無いだろ。」

流星がツッコミをいれる。

「え?いきなりの方が自然な表情でよくない?」


僕は正論を言った。つもり。


「まぁ、な」


笑う流星。みんなも笑っていた。僕もつられて笑った。


「さてと、もう時間だ。みんな来てくれてありがとう。また遊びに来るな。」


恭弥がそう言って荷物を持った。
僕たちは恭弥についていき、搭乗ゲートまで見送った。
ゲートについたら僕以外の三人はお互いの右腕をあわせてバツを作った。


「じゃあな、流星、健太。」


「どうせお前ならちょくちょく遊びに来るんだろ?俺も健太も暇だから連絡くれよ。」

「勝手に暇って決めつけんなよ。」


「図星だろ?」


「まぁ……。」



それが最後の会話だった。恭弥は慌てて僕たちが入れない所に入っていった。あ、僕、バイバイしてない。


「恭弥!」



ガラス越しだから聞こえるわけないか。



「バイバイ!」



それでも僕は手をふった。恭弥は振り向いてくれなかった。
その瞬間、僕の携帯が音を出した。



【新着メール:神壱恭弥.】

『またくるな美海。
愛してる』





……………



不覚にもドキッとしちゃった。

僕の馬鹿……。


僕は真っ赤になった頬を隠す為に二人に適当にバイバイしてダッシュで家に帰った。