「俺……美海ちゃんの事が好きだ!付き合って欲しい。」
小学生から中学生に上がった年、恭弥の友達から言われた。暖かい風で開花した桜の木の下で僕と彼はいた。
「……ごめんなさい。僕は……」
小学生だから恋なんてしたことがない。だから分からない。
そう言いたかった。でもその瞬間、
「……死ねよ。」
そう言われて殴られた。
拳がお腹に当たって痛い。口から血が出そうだった。
幼なじみの恭弥とは年が少し離れている。
僕より二つ上。でも恭弥はそんな感じは全く無く、よく遊んだ。恭弥の友達とも仲良くなった。
昔から女の子より男の子と遊ぶのが好きだった僕。
それは恭弥の影響だったのかもしれない。だからみんな……男の子を異性として見れなかった。
大切な友達だった。なのに、好きという感情によってあんな簡単に崩れてしまうんだ……。
「……ッ。いたっ……。」
砂埃が僕と彼を包む。