九州と神奈川を往復って大変だなぁ。
と僕は呑気に考えていた。僕はなるべく普段どおりに恭弥とせっせるように笑った。


「今日、泊まる?」


僕が聞いたけど恭弥は首を横にふった。


「泊まらない。流星の所に泊まるから。もしかして、誘ってた?」



「バカじゃないの?」



僕は真顔で恭弥に言った。しばらく沈黙。でも、すぐに僕と恭弥は笑った。久しぶりだな。楽しく笑ったのって。



「じゃぁな、何かあったらメールしな。別に何もなくてもメールしてもいいけどな。」



そう言って恭弥は僕の部屋から出て行った。僕は見送る為に恭弥と一緒に玄関に行く。



「あら、もう帰るの?」

母さん登場。なんで家で化粧してるんだろう。



「はい。ちょっここれから用事が……おじゃましました。」



恭弥が営業スマイルというやつを母さんに向けた。なんだ、こいつ。どんなキャラ設定なんだよ。



「あら、恭弥くん、男前になっちゃって。またいつでもおいで、私待ってるから、美海もいるからね。」



僕はついでかよ。母さん、恭弥がいたから化粧してたんだ。帰った時は急いでいたから気付かなかった。

恭弥はありがとうございますと一言、言って僕の家を後にした。


恭弥が流星の家に行ったかと思う時間帯、僕の携帯が鳴った。


【新着メール:神壱恭弥.】