「経験?」


「あぁ!ちなみに…美海って今好きな人とかいる?」



いきなりそんな話になるの?
なぜに?と思いながら僕は正直に答えてしまった。



「生まれてからずっと好きな人はいません。あ、二次元は別。いぇい。」


「最後の一言は、いらないとして、それが美海の弱点だよ。美海が自分からなんでも経験しようと思わないから。」



僕はちょっとだけむぅってなったけど、そこは目を閉じよう。

きっといらなかったのはいぇいの部分だよ。うん。
キラキラした目の恭弥。



「そ、そうなんだ。経験……かぁ……。それで僕にどうしろと?男の子に恋しろって?いやぁぁぁん。」



僕は冗談半分で言った。そうしたら真剣な顔になる恭弥。


「なぁ、美海。」