つむじ風。


ツヨシさんの跡を継いで、
俺は暴走族のリーダーとなった。

ここで、坂井浩介
橘直人、湊川リサと出会うことになる。

三者三様に事情があることはわかっていた。

ここに集まる連中には
それなりにいろいろある。

俺だってそうだったから。

お調子者の浩介に
沈着冷静な直人、
負けず嫌いなリサ。
よく俺のアパートに出入りしていた。

リサなんて勝手にあがりこんで、
掃除したり、飯を作ってたこともあるくらいだ。

ある日、仕事から帰ると
玄関の鍵が開いていた。

またリサか…

部屋に入ると、案の定リサが
膝を抱えて座っている。

また親が喧嘩して、
たまらず出てきたんだな、と思った。


俺が台所の流しで顔を洗い、振り返ると、
そこには一糸まとわぬリサが立っていた。

「…何、やってんだよ」

「亮二」

「服着ろよ」

「亮…」

「聞こえねぇのか、服着ろ!」

俺は流しに向き直った。

「…みんなやってることじゃん」

その言葉に
大きな溜息が出る。