「げ」
ブタの目の部分は、
野球ボールくらいの
大きさに切りぬかれ
ていた。人間の目が
、丸見えである。
「よくまわりが見え
なくってくりぬいち
ゃったから。隠さな
きゃ変でしょ。でっ
かいサングラス探す
の苦労したんだよ」
「へぇ……」
パリン、
パリン。
せんべいを交互にか
じり、満ち足りた月
を眺める。あんなで
きごとがあったにも
かかわらず、彼女ら
は相変わらず、ブタ
と妖精をやっている
。待ち合わせなぞし
なくても、まるで待
ち合わせたように、
橋の上でおちあう夜
が続いている。
「そういえばさ、な
ぞなぞの答えってな
んなわけ」
「馬跳びの時の?」
「うん」



