きみひろは耳まで 真っ赤になって床 を殴った。 「死んどけ!」 鋭く叫んでカバンを ひっかけると、戸を 蹴りあけ、脱兎のご とくかけだした。 ノックしていたよし おは、もろにくらっ てのびている。みゆ がぺちぺちとほっぺ たを張る。 「おい!」 一声かける間に 正門からでていって しまった。 「皿くらい洗ってけ !」 負け惜しみじみた セリフを口にして、 常居はタバコに火を つけた。 ざわざわと風が鳴る 。湿気た空気が流れ こんでくる。