「…名前、教えて?」 やっぱり。 あの日にタイムスリップした。 あの日と同じだ。 鼻の奥がツンとしたのをごまかすように 「あたし、佐々木凛!」 でっかい声で、言ったんだ。 ――…あたし、 戻れたんだ。 あの時間に。 空木と過ごしたあの時間に。 ――…心があったかかった。