人の一生の心拍数は決まっている。










奏「ねぇ」

柳下「ん?」

奏「キスしてよ」










ねぇトモ、ドキドキしてくれてる?











奏「ねぇ、キスして」

柳下「…お前はほかの男にも同じこと言ってんのか?」

奏「他に彼氏作ったこと無いの、知ってるくせに」




意地悪、と囁きながら人差し指で若し唇をなぞってみる。




トモが、息を飲むのがわかる。








柳下「ッ、やめろ」

奏「唇、震えてる」

柳下「バカ」






トモがぷい、とそっぽを向く。







柳下「よくそんなこと言えるな」

奏「余裕がある、って言いたいわけ?」





そう言うとトモは目線だけをこちらに向けてくる。







奏「バカはそっちじゃん」













私がこんなにドキドキしてるのに











トモはドキドキしないなんてずるいでしょ?














奏「ねぇ、キスしてよ」









そう言って目を閉じた。