その手で溶かして


私が無視していることはこの男だってわかっているはず。



それなのに、この男ときたら……



私の前に立ちふさがった。



「なんなの?」



「挨拶くらいはしたら?」



「どうして?」



「一応、幼なじみなんだから。」



そうね。



私達は幼なじみ。



家が隣で、小さい頃から知っている。