北口の傍にある踏切を越えて、 二つ目の十字路を右に曲がった所にある、 小さな雑貨屋に入り、 五分ほど意味もなく店内を回ったあと、 『恋』と大きく書かれたアロマ缶を購入した。 『性欲』にも一度手が伸びたが、 どうしても店員の目が気になり、やめておいた。 店を出て、 「相変わらず他人の目を気にしてるな」 と、ボソッと言い残し、 それから家へ帰った。 .