《完》嫌われ教師の腕の中

私を置いてまた…逃げてゆく佐々木君。


やはり自分本位なヤツで薄情なオトコ。



「どういう風の吹き回しだ…お前は誰とでもいい女じゃあなかったのか?」


私の耳元に唇を寄せる尾上先生。


「……」


「俺をフィアンセとして認めているのか?」


私は先生の方に振り返る。


そばには先生の顔。



先生の唇だけが妙に浮き上がって私の視界に入ってくる。
気が遠くなるような熱い昼休みのキス。


意識が唇に集中してしまっていた。