親父は何も言わず…デスクの椅子に座って…腕を組み…俺とお袋の言い争いを 傍観者のように見つめるだけ。 俺は後継者だってコトは幼い時から刷り込まれて…よ~く分かっていた。 今更…念を押されなくても…分かっている。 それでもお袋は俺に『後継者』と言う立場を押し付けて…縛り付けた。 「分かっている…何度言われなくても俺は…尾上財閥の後継者だ…」 「だったら…あの子とは別れなさい!!」 「・・・」