おなじ月...《短編》





あたしは、一日置き位に研史のマンションに行く。


大学の授業が早く終われば、そのまま研史の家に直行。


昼ドラやってる時間は研史はまだ寝てるんだけど、あたしの為に家の鍵は開けておいてくれる。

あたしは、研史が寝ている間はゴリと遊んだり、ゴリを散歩に連れて行ったり・・と適当に過ごす。


・・・合鍵くれたらいいのに・・なんて思うけど、“彼女”じゃないからそんな事言えないし。





「...あ...サキ、おはよ」



寝起きでより一層低い声で挨拶しながらリビングに研史が入ってくる。




「おはよ。ゴリの散歩行ったからね~」




「ん...アリガト。ゴリ、おいで」





研史は、いつも起きてすぐにゴリを抱きしめる。




・・・ゴリじゃなくてあたしを抱きしめてよ・・・




あたしの視線に気付いたのか研史がクスっと笑う。




「サキ、おいで」




ゴリを床に下ろすと、今度はあたしを呼ぶ。



あたし、犬だったらきっと尻尾をフリフリさせて研史の元に走っていくんだろうなぁ・・なんて思いながら、研史に手を伸ばす。




研史にギュってされるだけで、ドキドキして幸せな気分になる。




ねぇ、研史はあたしをどう思ってるの?


初めてあった時、なんでキスしたの?


今はなんでこんな風に抱きしめてくれるの?





あたしは研史が大好きだよ・・・