おなじ月...《短編》




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研史の休みは月に何度かあるんだけど、お店でトラブルがあったりするとすぐに携帯が鳴ってお店に直行。


休みはあってないようなもの・・・



よく身体壊さないなぁ・・って感心する。






・・・そんなこんなで。


今日は研史の休日・・・マンションの駐車場のインテリアになりつつある高級車のエンジンをかける。




「んあ...久々に昼間の太陽に当たる気がする...」


エンジンをかけっぱなしにして、タイヤの溝を触りながら研史は言う。




「だよね、いつも外出るの夕方だもんね...たまには日光に当たらないと腐っちゃうよ?」




「大丈夫。防腐剤持ち歩いてるから...」




「...なんか腐敗した臭いしてきた気がする...」




「あ、それも大丈夫。ファブリース飲んだから」




「アホかっ!!」




「アホ...褒め言葉やねぇ...っつうか、サキはドコ行きたいの?」




「え?うーーんとねぇ...海か、買い物かぁ...」





そんな会話の邪魔をするように研史の携帯が鳴った。






----ピロロロロロロ・・・ピロロロロロ・・・----




「......」




研史は顔色を変える無く、ポケットから携帯を取り出して。




「...はい」




仕事モードの声色で、運転席のドアを開けた状態でドアにもたれながら電話に出た。