おなじ月...《短編》




・・・ゲッ。あたし、今告っちゃった。



恋愛に向かないって自負してる男に告ってもどうもならないのに・・・



そりゃぁ、彼女になりたいけど・・・



そんなの無理だってわかってるから・・・



“面倒くさい”って思われたらどうしよう・・・





あたしは研史の背中に回していた手をゆっくり離す。


すると、研史は逆にギュって抱きしめる力を強めた。






「え...研史??」



「...サキ、好きだよ」








・・・え?


・・・今なんて?







「け、け、け、研史?!?!い、今...す、す、す、す、好きって言った?!」




「どんだけ、どもってんの?言ったよ?サキが好きって。なんで驚く?」




「だって...研史があたしを好きだなんて...知らなかったんだもん」




「...気付こうよ。気に入ってなかったら初めて会った時に連絡先教えないし、キスだってしなし、こんな風にほとんど毎日逢わないでしょ?」



「そう...だけど...研史、恋愛に向かないって言ってたから...」




「...まぁね。でも...」




「でも??」




「彼女になってみる??」





研史はちょっと腕の力を緩めて、覗き見るようにあたしの顔を見た。





「あ、あたし...研史の彼女になりたいっ!!...です」




「よくできました。んじゃぁ、今からサキは俺の彼女ね。」