「祐早斗!!」



耶刀常務がノックなしに社長室に入って来た。




「んっ?栗原お前…染中に何をしている?」




「…これはこれは…常務…社長なら…会長室です」



栗原さんはコロリと態度を変え、常務の方に振り返った。




彼のキャラ変えのスピードについていけない。





「…会長室?そうか…栗原…この資料…祐早斗に渡してくれ」



「承知しました…」




栗原さんは満面の友好スマイルで資料を受け取った。





「…お前…二人だからって…変な気…起こすなよ…栗原」




「・・・常務もその手のご冗談がおスキですね」




「…お前は相手が居ようと…構わない男だろ?」



「何の話か…」




栗原さんは常務の言葉をのらりくらりとかわしていく。

常務は仏頂面で社長室を出て行った。