解放されたチルチと言えば、のっそりとした動作で上半身だけを上げる。
「……」
虚ろな目のまま、服など体中についた赤いモノを眺める。
以前、呆然。
ただ時だけが動いているかと思えば、チルチの目にあるものが止まった。
「みゅ、みゅ……?」
初めて喋ったかのようなチルチの声。
手にしたのは、“半分になったミュミュ”だった。
壊れないように両手ですくったのに、手をつけたことから崩れていく。
「……」
言葉にできない。
いったい全体、何と口にすればいいのか。
何を受け入れろというのか。
ミュミュは――
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