悲鳴をあげるチルチを、魔物はさも、荷物のようにぶらぶらと宙を泳がせた。
「泣くなよー。殺す前にいーっぱい、遊んでやるぜえ!ほら、たかいたかーい!」
「離してっ、やぁぁ!おとっ、お父さんー!」
「お気に召さないってか、ああ?んだよー、せっかく俺様が遊んでやろうってのにぃ、なぁ?ま、どうせ喰うから関係ねえけどー。ほらほらぁ、もっと叫べよー。お前はもう、死ぬんでちゅよー」
「う、ああぁぁ!」
舌を出した魔物はチルチの顔を舐める。
唾液と共に真っ赤なものがチルチの顔についた。
魔物が前にそこら辺で喰った人間の血が、まだ舌の上に色づいていたらしい。


