一階の玄関から大袈裟すぎるほどの音が聞こえたのだ。
肩を跳ねらせて、チルチは部屋の扉を見た。
ぎし、ぎし、ぎしぃ……。
ゆっくりながらも、明らかに近づく足音。こちらに向かっているのはチルチにも分かった。
怖さが出て、チルチは手近にあったタンスにミュミュと共に隠れた。
「ミュ」
「静かに……!」
ミュミュの口を押さえて、自分の口も押さえる。心臓が耳についているんじゃないかと思えるほど、大きく音を立てていた。
部屋の扉が開く。大きな音を立てて。
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