(二)


日が昇るなりチルチが目覚めたのは、外が騒がしかったからだ。


眠い目を擦り、窓を開けて、外を見れば。


一見、どこだか分からない場所だった。


「え……」


のどかだった街が騒がしいだけでもおかしいのに、チルチが見る光景は、全てが“破滅”していた。


赤い炎、灰色の硝煙、逃げ惑う人の群れ。


「なに……なに……」


唖然としながら、その場にしゃがみこんだ。


「ミュー」


チルチの異変に気づいたか、タンスから出てきたミュミュがチルチに近づく。