この手紙もまた、郵便局に保管することになるだろう。
「ポストさん、お父さんとお母さんから手紙来てない」
「あ、ああ。忙しいらしいからね。きっとなかなか書けないんだよ」
両親の返事を求めるチルチには、こう言うしかなかった。
「でもね、手紙を届けた時、チルチちゃんのご両親はとても嬉しがっていたよ。これからも笑顔でいてほしいとも言っていたしね」
半分の嘘と半分の本当。
手紙など届けられるはずがないが、逝ってしまわれた両親はチルチが笑顔でいてほしいと思っているはずだ。
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