「感情全てが死ねばいい。そうすれば、少しは笑って過ごせるだろうか」 淡い願いは風に持ってかれた。 その願いそのものが矛盾を孕むなどと、死に間際では隅に置く。 ――ただ、平穏でいたかった。 それだけだった。 一度大量に液体を吐いて、魔物は音も立てずに、立てることもしなかった。