「残虐なのはそちらとて、だ。よもや、魔物を駆逐したことを忘れたとは言わせぬぞ。

そなたたちも、命ある魔物を悪と決め込むように、我らも人間を悪と決め込んでいる。

人間も魔物も同じなんだ。考え、苦しみ、悩み、至福を求め、平穏を欲し、安息を願う。

人間のように、な。だから我らが地を汚し、同志を駆逐する人間が憎い。

問おう。人間と魔物。戦う全ての何が違う」


「……」


言葉が、出なかった。


潜入して、薄々はシルクも感じていたのだ。


まるで、人間のようだと。