魔物は何も答えず、灰色の目だけが、怒るシルクを捉えていた。


「俺を、俺なんかを……俺一人を生かすぐらいならば、何故、他の人間を生かさない!」


「某(それがし)は、最早、誰も殺したくはないのだ」


「馬鹿げている!許しでも求めているつもりか?そんなもんで、たった一人を生かしたところで……!例え、これから人間を殺さなくとも、俺たち人間は、魔物を許さない!」


大きく腕を振って、感情をあらわにしたシルクに、魔物は特に感情を出さず。


「許しなど乞わぬ。ただ、某は盤上から脱退したいのみ」