むざむざ殺されたくないが、一撃目で死神と断定した奴――いわば、自分を楽に殺せる奴が来ないのが納得できず。


“立ち去れ”


その言葉が突っかかった。


「なぜ、殺さないんだ」


「殺されたいのか」


答えと共に質問が返ってきた。


殺されたいと思ってないから、魔物は自分を殺さないらしい。


「っ、魔物風情が」


あえて、魔物の質問に答えず、シルクは奥歯を噛んだ。


「何のつもりだ。お前は俺たちの敵だろう……!そうやって、俺を生かしたところで何がしたい!」