(一)


『報告。リリスの森焼失後、魔物軍勢第零師団と戦闘。帝国部隊は壊滅状態である』


羊皮紙に書いた手紙を小さく折り、ワシの足に結んだ。


いけ、と小さな声で言いながら、ワシを飛ばす。


城から見る外は荒地であり、魔物が宙を旋回していた。ワシはその間を縫って、さも我が物顔で飛んでいくが。害意ない生命は眼中にないと言わんばかりで、魔物の誰一人としてワシを襲うことはなかった。


ワシはこのまま帝国へと飛んでいき、自分が書いた報告を知らせるであろう。