総帥が欲しかったのはニズカの本心だ。 例え否定的であっても、ニズカの意見に対しては総帥は特に処罰を加えない。第一、他人に意見など求める時点でどうかしていた。 どうかしていたのだ。それが気まぐれか余興かは知らない。ニズカの意見が採用されるわけでもなし、ただ本心が欲しいと総帥は地図を見たまま投げかけたのだ。 に対して、ニズカの先の意見がある。 「君も“アレ”と同じく、借りを作っておくべきだと言うのか」 「いいえ、違います。人が大勢死ぬからです」