だから殺したいという心根の叫びを実行したのだ。


実行して得たのは、確かに晴れやかになった心だった。


これで身内の無念を晴らした、これで部下の願いを叶えた、これで同族の意志を受け継いだ。


はっきりとした嬉しさがあったのは確かだった。


「お、れ、は……」

拳を握り、手のひらに爪を食い込ませた。


結局は、こいつと同じだと思い知らされた事実。


男に至っては誰これ構わず、信念も何も感じない快楽行為に過ぎないが、殺してすっきりしたいという気持ちは同じだった。