「……、いや」 誰も自ら進んで死ぬことはないだろう。 否定をすれば、灰色の目が私を見据えた。 「先ほど、そなたは意志に反すると言った。それは零師団隊長として――国に仕える者としての意志であろう。ならば、問いたい。そなたの意思はどこにいるのだ」 「私は……」 どこにいるのか。 意思は私自身にあると言いたいが、死地に自ら赴くのは私の意思なのか。 隊長としての責任、責務、それらを抜いて、もしも私が一介の民であったならば、果たして私は自ら死地に逝くという“意思”を持つのだろうか。