半蔵seid

最近、殿の様子が可笑しいことは解っていた。
見知らぬ男がやってきた時からだ。

そう...。

如月裕太

こいつだ。

俺は、クナイやら忍刀を鋭く丁寧に磨いた。

俺は如月裕太に会って確かめなくてはいけないことがある。

これは殿の為でもある。

もしその答えが俺の望むものでなければ...。

ドスっ!!!!

半蔵の投げたクナイがひらひら舞っていた葉っぱと一緒に壁に刺さった。

そして。

葉っぱは、切れて地面に落ちていった。

まるで、誤った答えを言えばお前はこうなるとでも言いたそうに...。

その時の半蔵の顔は、いつもの顔と違いとても恐ろしかった。




同時刻ある場所である人の暗殺を言いわたされた男が、忍刀を研いでいた。

その男の名は、誰も知らない。

いや、知っていても誰一人生きては居られないと言った方がいいだろう。

シャン…シャン…。

クナイは研ぎ終わると。

男はゆっくりと立ち上がり小さな声でこう言った。

「暗殺…開始…」

ギラリと瞳を光らせた。

‥‥ーーーーーー。

暗い森の中、半蔵はスタスタと駆けて行く…。

(もう、そろそろアイツが来る…。)

半蔵は裕太がいる出城にたどり着いた。

出城前

「あーもぅ....疲れた...」

裕太は自分が狙われているとも知らず汗を拭きながら歩いていた。

木の上で半蔵は静かに獲物を狙う猛獣のように神経を研ぎ澄ませていた。