「大丈夫?」
「だいじょーぶ」
「送って行こうか?」
「いえいえ、そのお気持ちだけで・・」
そのまま歩き続ける私に
車の中から話し続け
ようやく
ついてこないと思ったら
「歩くの早いね~」
後から走って来た・・・・
「え?車は?」
「あそこの駐車場に停めてきたけど・・」
「は・・・?」
「だって、車だから警戒してんのかなーって」
そういうわけじゃ
まったくないんだけど・・・。
「ぷっ・・ふふ
そんなわけないじゃん」
単純な発想に
思わず 笑いがこぼれてしまった。
「おっ、テンション上がった?」
「上がってないけど・・」
「んーじゃあ、お兄さんが
おやつをあげよう」
と、手渡されたものは
板チョコ・・・
「甘いもん食うと
何とかっていう物質が脳に出て
幸せな気分になるとか
この前 テレビで言ってたし」
「何 その適当な覚え方・・・
・・でも、
ありがとう・・・。」
歩きながら 板チョコをかじってるなんて 変なの・・・
「俺さー」
「ん?」
「初めて見た。
板チョコかじりながら歩いてる大人。ははは」
「なっ!?くれたの誰よ!?」
「くれたのは俺だけど
今食うとは 思わなかった。あはは」
・・・・たしかに。



