君ニ恋シテル

なんだろう、凄く慌てているように見える。

それに、なんとなく見覚えがあるような…。


男二人組は速度を落とすことなく、一目散にこのケーキ屋をめがけ走ってきた。

わゎっ!ここに向かって来てたの!?


二人はケーキ屋の前まで来ると、荒い呼吸をととのえるように、前屈みになり、膝に手をついた。


私と亜紀ちゃんはその姿をただ呆然と見つめる。

一人は涼しげな黒のニット帽にサングラス。
少し長めの茶髪の髪が、帽子によく映えていた。

もう一人はシンプルでオシャレな、カーキのキャップを深くかぶっている。

服装は二人共カジュアルだ。