「藤盛さん!よかったー!」

へ…?予想外の反応に私は拍子抜けする。

店長は心底安心した、という表情をしている。


「あ、あの、店長?」

「いやー、今日は休みだったのに無理に出てもらって悪かったよ。
とにかく、残り時間よろしく頼むよ。
あぁ、あと今後も末永くよろしくね!」

そう言い終わると店長はさっさと厨房へと戻ろうとした。


「あっ、あの!待ってください!」

私は亜紀ちゃんの背中に隠れるのをやめ、慌て店長を呼び止める。

怒ってないように見えるけど…
ちゃんと謝らないと。


「…ほんとに、すみませんでした!」

私は深々と頭を下げた。


「あぁ、いいから、いいから。」

店長は今まで見たこともない優しい笑顔でそう言うと、厨房へと戻っていった。