君ニ恋シテル

「優奈ちゃん」

ゆっくりと体を離すと、てっちゃんがポケットから小さな箱を取り出した。

箱を開けるとそこには…


…!


シンプルなデザインのピンクゴールドの指輪が入っていた。
驚き過ぎて、何の言葉も出てこない。


「受け取ってもらえる?」

…っ。
また、涙が溢れ出す。
こくんと頷き顔を上げると、てっちゃんが優しく指で涙を拭ってくれた。



そして…

私の手を取り、そっと指輪を嵌めてくれた。



ポロポロポロポロ流れる涙。
止めることなどできない。
さっきせっかくてっちゃんが拭ってくれたのにね…。

そんな私の姿を見て、今度は優しく頭を撫でてくれた。
見上げると、いつもの優しい笑顔。

自然と私も笑顔になった。


「てっちゃん…ほんとにありがとう」

心から思う。
ありがとう。大好き。