君ニ恋シテル

包みの中を覗くとそこには、可愛らしいサンタさんの衣装を着たテディベアが入っていた。


「わぁー!可愛い…!」

ぎゅうっとテディを抱き締める。


「気に入ってもらえた?」

「もちろん!」

こんな可愛いプレゼントを貰えるなんて思ってもみなかった。

嬉しいな。



すると、ふわふわと白いものが目の前をゆっくりと落ちるのが見えた。

「雪…?」

「ほんとだ」

ぱらぱらと、雪が降り出した。
二人で空を見上げる。


「ホワイトクリスマスになったね」

優しく微笑むてっちゃんに、私も笑顔で頷く。


行き交う人も、空を見上げてる。
イルミネーションの光と雪で、一気にロマンチックな雰囲気。


「てっちゃん、プレゼント本当にありがとう。最高の誕生日になったよ」

「良かった」

二人顔を見合わせ笑い合う。
恥ずかしくて、ちゃんとは見れないけど。


「それに…イベントもとっても楽しかった。てっちゃんの曲…凄い良かったよ」

勇気を出して、言ってみた。
凄く、ドキドキしてる。


「優奈ちゃんを想って作った曲だから」

…っ。


「嬉しい」

絞り出すように気持ちを伝える。


「気のせいだったのかもしれないけど、ステージに立った時、優奈ちゃんのことを見つけた気がしたんだ」

え…。

「あんなに大勢の人がいたのに、不思議だよね」

やっぱり、あれは気のせいじゃなかったんだ。


「わ、私もね!ソロ曲の時、てっちゃんと目が合った気がしたの!」

すると、てっちゃんは一瞬驚いた顔を見せ、その後すぐに微笑んだ。

「じゃあきっと、あれは気のせいじゃなかったんだ」

…っ。


その笑顔が眩しすぎて、何も言葉が出てこない。






「優奈ちゃん」

私の名前を呼んで、真っ直ぐとこちらを見るてっちゃん。


ドキドキが最高潮に高まる。