「お腹いっぱい!美味しかったー!てっちゃんありがとう。ごちそうさまでした」

「どういたしまして。ほんと喜んでもらえて良かった」

「大満足だよ!」

全てに満足。
初めてだらけの初デート。
幸せすぎて…終わってしまうのが寂しい。

時間的に、もう後は帰るだけだよね…もっといっぱい一緒にいたかったな。
朝から1日中デートできたら良かったのに…なんて思ってしまう。

でも、仕方ないよね。
忙しい中、こうやって会ってくれたんだもん。
デートに誘ってくれたっていうことが、本当に本当に嬉しいことで、奇跡みたいなこと。


本当に夢じゃないよね…?って、何度も思っちゃった。

チラリと運転中のてっちゃんに視線を向ける。
夢じゃない…ちゃんと現実。


最初は緊張し過ぎてどうなることかと思ったけど…鞄の中にそっと手を入れて、テディの頭を撫でる。
テディのおかげかな?大丈夫だったよ。ありがとう。


そして、あと残るは告白だけ…。


………。


窓から流れる景色をじっと見つめる。
キラキラ輝くビルを次々と追い越して行く。


言わなきゃ…伝えなきゃ。


だけどどうしても、言葉が出てこない。



「優奈ちゃん、まだ時間大丈夫?」

ドキッと心臓が反応する。
なんだろう…?


「うん、大丈夫だけど」

「ちょっと寄りたい所があるんだけど、寄ってもいい?」

「もちろん!」

やった!まだてっちゃんと一緒にいれる。嬉しい。




ドキドキとワクワクが入り混じる中着いたのは…憧れの場所。