君ニ恋シテル

マンションに着くと、てっちゃんの部屋には誰もいなくて、静まり返っていた。


「まだみんな逞くんの部屋の掃除してるみたいだね…?」

「だね」


………。


なんか、緊張する。
だって、部屋に二人きりだよ…?

さっきも二人きりだったけど…状況が違うわけで。


そんな妙な緊張感の中、てっちゃんは買ってきたジュースを冷蔵庫にしまい出した。

てっちゃんから視線をそらしテーブルに目を向けると、食べ終わった後の食器や、空っぽになったお菓子の袋など…散らかり放題の様子が目に入る。

わ、これは片付けなきゃ…!


「てっちゃん、テーブルの上少し片付けるね」

「ありがとう」

冷蔵庫にしまい終わると、てっちゃんも片付けを手伝ってくれた。

あっという間に、テーブルの上は綺麗になった。


さて…どうしよう。
する事がなくなってしまった。

また、心臓がうるさく騒ぎ出す。

落ち着かなくて、意味もなくきょろきょろと部屋に視線を巡らせる。

ほんと綺麗な部屋だなぁ。
それに、とっても広い。

改めて感心していると、てっちゃんにプレゼントしたテディが目に入る。


「これ…テディベア、飾っててくれてありがとう。凄く嬉しい」

そう言うと、てっちゃんはニコリと微笑んだ。


「俺も嬉しいよ。こんな可愛いプレゼント貰っちゃって…ありがとう」

見つめ合って、微笑む。
でも恥ずかしくなって、すぐ視線をそらしてしまった。


「座ろっか…?ずっと立ってても疲れるし」

「うん…!そうだね。座ろう座ろう」

えっと、どこに座ろうかな…?
この場合はソファー?それとも普通に床に…?