* * * 

「いい?次は絶対告白よっ!」

「…う」

「う、じゃないわよ!全くゆうにゃんはっ!」

「ご、ごめん」

普段通り…ううん。
普段以上にテンションを上げて優奈と話す小沢ちゃん。

無理しちゃって。
頑張ってテンションを上げてるって、わかる。


「今回だって私がゆうにゃんのためを思ってこの作戦を計画したのわかってるわよね?」

「もちろんわかってるよ…!ほんとに感謝してる!」

「ふん…ほんとかしら?」

「ほ、ほんとだよぉー…!」


やっぱり、小沢ちゃんは徹平のことを好きだった。
ずっと思ってたことだけど…。

本当に徹平のことを諦められるのか、それはわからないけど、きっと優奈を精一杯応援したいって気持ちに嘘はない。

それはわかる。
複雑だけど、わかるから。

小沢ちゃんは優しいね…。


「ゆうにゃんはのんびり過ぎて見ててほんとイライラするのよね…」

「イライラ…?」

「そう!イライラよ!もうさっさと告白してさっさとくっついちゃいなさいなっ!」


そんな小沢ちゃんの気持ちがわかるからこそ、私も優奈をしっかり応援しよう。

それが小沢ちゃんにとって、一番私に望んでいることだと思うから。


「優奈っ!小沢ちゃんの言うとおりだよ!次こそは絶対告白しなきゃ!早くしないと、徹平とられちゃうよ!?」

「えぇ!?亜紀ちゃん最初と言ってること違う…」

「優奈のスピードに合わせてたら、いつになるかわかりゃしないからねー。ねっ、小沢ちゃん?」

「そうよ、渡辺さんの言うとおりだわ」

「ひ、ひえぇー…」


あたふたしてる優奈から目をそらすと、小沢ちゃんと目が合った。

軽く微笑む小沢ちゃん。

それにこたえるように、私も微笑み返したのだった。