君ニ恋シテル

ーーーなんとか少し落ち着きを取り戻すと、星空の美しさに心を奪われる。


「ほんと…凄く綺麗」

「ねっ」

そう言ってこちらを見るてっちゃんと視線が重なった。

今度は目をそらさず、しっかりと見ることができた。

顔を見合わせ、2人笑顔になる。


「あの…てっちゃん」

ん?と、首を傾げてっちゃんはこちらを見た。


「…誕生日、おめでとう!!」

よしっ!言えた…!


「ありがとう」

ふわっと優しい笑顔を浮かべるてっちゃん。

その笑顔に、安心感を覚える。


この流れでプレゼントも…

「それでね、昨日プレゼント渡せなかったから…今日どうしても渡したくて…はいっ!」

「わあ、ありがとう。開けていい?」

「うん…気に入ってもらえれば良いけど」

ドキドキしながら、プレゼントを開けるのを見守る。


「テディベアだ。可愛いね」

そう言ってテディベアを抱き上げると、てっちゃんは満面の笑みを浮かべた。


「喜んでもらえてよかった。男の人にテディベアってどうなんだろうって思ったんだけど、とっても可愛いなあって思ってつい…」

「凄く嬉しいよ」


あー、よかった。
微妙な反応だったらどうしようかと思ったよ。
本当によかった…!


「ちなみにね…これは女の子のテディベアなんだ」

「そうなんだ」

「うんっ!そうなの!……」

これ以上は、言葉が続かなかった。
これを私だと思って持ってて…なんて、やっぱり口が裂けても言えない。


「あとね、もう1つプレゼント入ってるんだけど…」

私がそう言うと、てっちゃんはまたプレゼントの袋に目を向け取り出した。
箱を開ける姿をドキドキしながら見守る。


「…これは、ネックレス?」

「うん、気に入ってもらえればいいんだけど…」

「ありがとう。2つも貰っちゃって…ほんとにありがとう」

笑顔に胸がキュンとなる。
よかった…無事渡せた。
ほっとして気が抜ける。


と、てっちゃんはネックレスを箱から取り出すと付けて見せた。

「どうかな?」

「わあー!とっても似合ってるよ!」

ニコッと笑うてっちゃん。
嬉しい…本当に嬉しい。


本当はね、これお揃いなんだよ?
だけどやっぱり、言い出す勇気なんてなかった。

もちろん、告白なんて論外。
プレゼントを渡せただけでじゅうぶん満足。

この機会を作ってくれた百合香ちゃんに感謝。
ありがとう。
心の中でそっとお礼を言った。