君ニ恋シテル

「…大体にして、急に告白大作戦とか言い出して、しかもわけわかんない作戦で、小沢ちゃんの行動も意味不明で…なんなの!?」

「何よ…わけわかんなかったら何だって言うの?私はゆうにゃんのために…」

「違う!優奈のためじゃない!」


…渡辺さんの視線があまりにも強すぎて、私は思わず目をそらした。

何が言いたいわけ…?


「小沢ちゃん…なんか意地になってるよね?自分の気持ちに…意地になってない?」

「意地…?申し訳ないけど、意味がわからないわ。いい加減にしてちょうだい」

そう言いながら私は渡辺さんに背を向けた。

なぜか胸が苦しい。
むしゃくしゃする。
こんなのいつもの私じゃない。
らしくないわ…。


「小沢ちゃん」

渡辺さんの呼びかけに、私は答えなかった。


すると…

「…徹平のこと、好きなんじゃないの?」

…!!

突然背中越しにかけられた言葉に、肩がびくりと震える。


「そうだよね…?」

「そ、そんなわけないじゃない…。渡辺さん頭大丈夫?熱でもあるんじゃない?」

私は咄嗟に返事を返す。
ここで黙ってしまったら、全てばれてしまいそうで怖かった。


「…そうなんでしょ?」

「しつこいわね。違うって言ってるじゃない!」

振り向き様にそう言うと、渡辺さんとばっちり目が合った。

その強い視線に、負けそうになる。


「嘘つき!」

なっ…!


「誰が嘘つきよ!」

「だって嘘つきじゃん!ちゃんと自分の気持ち認めなよっ!小沢ちゃんの弱虫!」

…なんですって!?
弱虫?

グッと拳を握りしめる。



「っ……そうよ!渡辺さんの言うとおり。私は、私は…徹平くんが好きよ!どう?これで満足?」

もうどうだっていい。
どうにでもなれ。
そんな気持ちだった。
勢い任せで私は気持ちを認めた。