君ニ恋シテル

ーーー…
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夜。


今日の宿泊先はホテル。
ディナーショーが行われる。

旅行もいよいよ終盤、てっちゃん達と過ごす最後の夜だ。

楽しい時間はあっという間って言うけど、ほんとにあっという間だったなあ…。

ほんの少し寂しさを感じてしまう。


「でわでわ皆さん、食事をしながらBoy★2のステージを思う存分お楽しみ下さい」

司会役の浩ちゃんがそう言うと、ディナーショーがスタートした。


優雅できらびやかな会場のステージで、2人が歌う。

ショーは大盛り上がり。


しっとりとしたバラードでは、いつもより大人びた雰囲気を醸し出す。

わっ…どうしよう、泣きそう…。
自然と瞳が潤む。

会場にいる全ての人が、2人のステージに酔いしれた。

曲が終わると、大きな拍手が会場いっぱいに響く。


「はーい!2人ともありがとう!!素敵でしたね!いきなりですが皆さん!今日はなんの日?」

浩ちゃんがそう言うと、ファンの子達がきゃあー!と騒ぎだし、あちこちから『誕生日!』の声が。


「はいっ、皆さん既にご存知のように、今日は徹平の誕生日です!おめでとう!」

「徹平!おめでとう!」

逞くんも笑顔で祝福の言葉をおくる。


「ありがとうございます!」

てっちゃんは突然のサプライズに驚きながらも、嬉しそうにお礼を言う。


「みんな昨日フライングでプレゼント渡してたけど、今日がほんとの誕生日だからなー!」

浩ちゃんの言葉に、みんなきゃははと笑う。


そう…今日がほんとの誕生日、今日こそは絶対プレゼント渡さなきゃだよ!

考えると、緊張する…。
もう渡すチャンスは夜しかない。


すると、今度はステージにケーキが登場。

スタッフの人が運んできたケーキに、てっちゃんはまたまた驚きの表情を浮かべる。

ケーキには22本の蝋燭。


てっちゃんが蝋燭を吹き消すと、

「22歳おめでとうー!」

みんなの声が響き、会場は拍手と笑顔に包まれた。