あぁなんだか頭がはっきりしてきたわ。
私、血を触ってしまって気を失ったのよね。
…そこから記憶が途切れてる。
そうよ、血…確かべっとりついて…。
手を見ると、微かに血のあとがあった。
あら?…誰かが拭いてくれたのかしら?
もっとついた気がしていたのだけど…。
「あっ、まだついてた?一応しっかり拭いたつもりだったんだけどなぁ。ごめんな」
浩ちゃんが…?
拭いてくれたの…?
「ははっ、でも血で倒れちゃうなんて、百合香ちゃんもか弱いよなぁ。まぁでも偽物の血でも気持ち悪いよな、あれは」
なにが言いたいのよ…。
偽物だってことぐらいちゃんとわかっていたわ。
だけどあの時は、恐怖で頭が混乱していて…仕方なかったのよ。
こいつ見た目こんななのに倒れるなんて笑えるとか思ってるんでしょ。
か弱いなんて、私には似合わないって、心の中で笑ってるんだわ。
…こんな人にお姫様抱っこなんてされたくなかった。
女の子の憧れ。
私だって夢見ていた。
いつかきっと私だけの王子様が現れて、お姫様抱っこしてくれる日が来るって。
その夢をこの人は…
「お姫様抱っこしてなんて頼んでないです!」
ファンの子達にその姿を見られたなんて、たえられないわ。
みんなの笑いものじゃない!
徹平くんに見られなかったのがせめてもの救いよ。
私は感情のままに浩ちゃんを睨み付けた。
浩ちゃんは私を運ぶのに必死だったことくらいわかってる。
迷惑をかけたのは私だ。
だけど…とにかく腹が立って、気持ちがおさまらない。
こんなふうになってしまう私はやっぱり子供で…
「あっ…ごめんな?そうだよな…注目浴びるようなことしちゃって…ごめんっ!」
浩ちゃんはやっぱり大人。
絶対に感情的にならない。
私と浩ちゃんの心の距離はどれくらいあるのだろう?
果てしなく遠い気がする。
私は子供すぎるから。
ふんっ…。
今更謝られたって遅いわよ。
私、血を触ってしまって気を失ったのよね。
…そこから記憶が途切れてる。
そうよ、血…確かべっとりついて…。
手を見ると、微かに血のあとがあった。
あら?…誰かが拭いてくれたのかしら?
もっとついた気がしていたのだけど…。
「あっ、まだついてた?一応しっかり拭いたつもりだったんだけどなぁ。ごめんな」
浩ちゃんが…?
拭いてくれたの…?
「ははっ、でも血で倒れちゃうなんて、百合香ちゃんもか弱いよなぁ。まぁでも偽物の血でも気持ち悪いよな、あれは」
なにが言いたいのよ…。
偽物だってことぐらいちゃんとわかっていたわ。
だけどあの時は、恐怖で頭が混乱していて…仕方なかったのよ。
こいつ見た目こんななのに倒れるなんて笑えるとか思ってるんでしょ。
か弱いなんて、私には似合わないって、心の中で笑ってるんだわ。
…こんな人にお姫様抱っこなんてされたくなかった。
女の子の憧れ。
私だって夢見ていた。
いつかきっと私だけの王子様が現れて、お姫様抱っこしてくれる日が来るって。
その夢をこの人は…
「お姫様抱っこしてなんて頼んでないです!」
ファンの子達にその姿を見られたなんて、たえられないわ。
みんなの笑いものじゃない!
徹平くんに見られなかったのがせめてもの救いよ。
私は感情のままに浩ちゃんを睨み付けた。
浩ちゃんは私を運ぶのに必死だったことくらいわかってる。
迷惑をかけたのは私だ。
だけど…とにかく腹が立って、気持ちがおさまらない。
こんなふうになってしまう私はやっぱり子供で…
「あっ…ごめんな?そうだよな…注目浴びるようなことしちゃって…ごめんっ!」
浩ちゃんはやっぱり大人。
絶対に感情的にならない。
私と浩ちゃんの心の距離はどれくらいあるのだろう?
果てしなく遠い気がする。
私は子供すぎるから。
ふんっ…。
今更謝られたって遅いわよ。



