君ニ恋シテル

「優奈ちゃん、顔真っ赤」

「えっ…!」

恥ずかしい…!
どうしたらいいのかわからず、私は思わずアイスコーヒーを一気飲みした。


そして、

「ほっ、ほんとにそんなんじゃないからっ!」

必死で否定する。


そんな私に対して沙弓ちゃんは落ち着いた笑みを浮かべる。


「優奈ちゃん見てればわかるよ」

「っ……」

咄嗟に言い返そうとしたけど、何も言葉が出てこない。


見てれば、わかる…?
そんなに見てるだけでわかっちゃうくらい、気持ち外に出ちゃってた?

そんな私の戸惑いを知ってか知らずか、沙弓ちゃんは変わらず柔らかな笑みを浮かべたまま。


どうしよう、否定するタイミングを失ってしまった。

ここでまた何か言ってもかなり違和感あるよね…。



………。



「うん…好き」

気づいたら認めていた。
これ以上何を言っても、きっと沙弓ちゃんをごまかすことはできない。

なんだか恥ずかしくて、沙弓ちゃんを真っ直ぐ見ることができなかった。


「やっぱり!絶対そうだろうなって思ったもん。私、応援するよ」

「あ、ありがとう…」

うぅ…恥ずかしい。
この前洋祐くんにバレたばかりで、今度は沙弓ちゃんにも知られてしまうなんて…。


「逞もね、優奈ちゃんのこと応援してたよ」

「えっ!?な、なんで!逞くんには一言も話してない…」

「優奈ちゃん、わかりやすいから」

そんなに?私って、そんなにわかりやすいの…?
もう、なんの言葉も出てこないよ…。
恥ずかしい…。


「優奈ちゃん」

沙弓ちゃんが優しく微笑み、私を見た。


窓から陽が射して、ちょっと眩しい。

思わず目を細める。


そして…