そして、沙弓ちゃんは逞くんと出会った頃の話をし始めた。


「私ね、最初は逞のファンだったんだ」

「えっ?そうなの?」

「うん」

懐かしむように目を細める沙弓ちゃん。


まだお互い高校生の頃の話。
そんな前から出会ってたんだ…。
その時まだ沙弓ちゃんは一般人で…。
Boy★2は路上ライブの時代。

私は沙弓ちゃんの話に興味津々で耳を傾ける。


「バカかもしれないけど…一目惚れっていうか、何かわからないけど、見た瞬間に運命的なものを感じたんだよね」

照れたようにはにかみながら話す沙弓ちゃん。


その姿がとても可愛くて、微笑ましく思った。


「全然バカなんて思わないよ!」

だって、私もその気持ちよくわかるから…。


一般人だって、芸能人に恋をしてしまう。
そういう感情を抱いてしまう。
今の私が、まさにそう…。
芸能人に…てっちゃんに恋をしている。


まさか沙弓ちゃんもそうだったなんて、びっくり。普通に芸能界に入ってから逞くんと出会って、芸能人として恋をしていたと思っていたから。


その後も、沙弓ちゃんは逞くんとの話を沢山聞かせてくれた。

時折、笑顔の中に切ない表情も交えながら…だけどやっぱり、とても幸せそうで。

2人の間には色んなことがあって、今があるということがわかった。


話を聞いてると、ロマンチックな気分になったり、切なくなったり…何度も心が揺れる。

でもきっと、二人の出会いは必然で、運命だったんじゃないかと思う。

きっと二人は出会うべくして出会った。
そんな気がした。