｢ほら優奈、帰るよ！｣

亜紀ちゃんが私の手を少し強引に引っ張る。


｢…帰りたくない！｣

｢帰りたくないって…じゃあずっとここにいるわけ！？｣

｢…うぐっ｣

亜紀ちゃんの鋭い視線が私を突き刺す。


きっと今私の目は、涙目になってるに違いない。

ずっと泣きそうなのを我慢していたから。

こんな自分に、自分でも呆れてくる。


…どうしたらいいのかわかんない。

こんなに好きなんて、どうしたらいいの？


やっぱり私って…ほんとにバカだよね…。

『好き』って大事な気持ちなのに、こんなにもなくなってほしいって思ったことはないよ…。

今すぐなくなってしまえばいいのに…。


でも…消せないし無理だってわかってる。

…辛いよ。

オルゴールの効果を心のどこかで本気で期待してた自分が恥ずかしい…。