君ニ恋シテル

目の前の二人を、ドキドキしながらジッと見つめる。

優しい歌声が心に響く。

笑顔、音色、空気、全てが優しさに溢れてる。

この空間に、ずっといたくなる。
ずーっと…このままでいたくなるよ。

一秒すら過ぎるのが名残惜しくて…優しいのに、切ない。


何かを確かめるように、間奏中会場を見渡す二人。

ファン一人一人としっかり目を合わせ、『ありがとう』って、言っているように見えた。


顔を見合せ、楽しそうにはしゃぐ二人。

いっぱいいっぱいキラキラしてる。


素敵だな、大好きだなぁ…。

きっと誰もが、二人に恋してるね。


私も…てっちゃんに恋してる。

恋してるよ。

目が合うたびに、何度もときめいて。


願いが叶うオルゴール。
もしも、もしも願いが叶うなら…。


あ…。
また視線が重なった。


「…っ」

たったこれだけのことに、耳まで熱くなる。

向けられた笑顔に、のぼせてしまう。



もしも、願いが叶うなら…


視線を独り占めしたい。
あなたの特別になりたい…。



酔いしれる空間の中、私は本気で、そう願っていた。