君ニ恋シテル



時間の流れを忘れるくらい、コンサートは凄い盛り上がりで進んでいった。


そして、あっという間にコンサートも中盤。

「それでは次の曲、僕らの記念すべきメジャーデビュー曲、『Love letter〜大切な君へ〜』聴いてください」

てっちゃんがそう言うと、亜紀ちゃんが肘で私の脇腹を小突いた。

そして「オルゴール」と、口パクで言い、ニコッと笑う。

私も嬉しくなりニコッと笑みを返した。


…その瞬間、隣から突き刺すような視線が。

うっ!…チラリと隣を見ると、怖い顔で私を見るあの子の瞳と目が合った。

うぅ…なんなのよぉー…。
なんで睨むのぉ…。


そんな視線にビクビクするも、曲のイントロが流れ始めると、すぐに視線はそらされホッとする。

はぁー…。


私も気を取り直し、ステージに目を向けた。